引き出物の表書き

お祝いや内祝いの贈答品には「のし」をつけるのが一般的です。デパートやギフトショップで手配すると、ほとんど店員さんがどんな表書きが適当なのか、どんな水引がいいのかを教えてくれるのであまり気にすることはないかもしれません。ただ結婚祝いなどのマナーには独特なものがあるので、ちょっと覚えておくと便利です。
例えば、結婚式の引き出物の表書きには、何と書いてあるでしょう?引き出物の「のし」の上段に書かれている文字、覚えていますか?答えは「寿」です。普段あまり目にすることがないので忘れてしまいますね。のしの下段には贈る人の名前を書きます。引き出物の場合は、新郎新婦両方から贈ることになります。
名前の書き方には3つパターンがあります。一つは、新郎新婦の姓です。例えば山田太郎さんと鈴木花子さんの結婚なら、「山田 鈴木」もしくは、「山田家 鈴木家」になります。○○家にすると、家同志の結びつきのようで若い方には少し抵抗があるかもしれませんね。二つ目は、新郎新婦の名前をフルネームで入れます。「山田太郎 鈴木花子」という感じです。誰と誰が結婚したというのがはっきりわかる表書きです。三つ目は、新郎新婦の名前だけ入れるというもの。「太郎 花子」というふうになります。名前の位置は、右が新郎で左が新婦という並びになります。
新郎新婦が気に入った表書きを選んでも、両親が納得しないと後でもめるので、面倒かもしれませんが名前の表記はお互いの両親に確認をとっておいた方がいいでしょう。
お祝い事の水引の本数は三本、五本、七本ですが、婚礼の場合だけ十本となります。水引が多くてとても豪華に見えますね。婚礼の水引十本は、奇数の五本×2束という意味です。色は紅白か金銀になります。
水引にはいろんな結び方がありますが、結婚式の引き出物は、水引の端が上に向いている「結び切り」になります。一度結んだらほどけないのが「結び切り」です。また、婚礼や全快祝いのように「二度と繰り返してほしくない」事柄に使われる結び方です。
結婚式に招待しなかった方へ結婚祝いのお返しを贈る場合、表書きは「内祝」「結婚内祝」となります。この場合も、水引は十本で、結び方は「結び切り」になります。
婚礼にまつわる数字には2で割れる数を嫌い、引き出物の数は3品や5品などの奇数が良いとされてきましたが、最近では2品でも気にすることはないようです。引き出物と引き菓子の2品でも良さそうです。

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